「乗降客数」はどう数える? 北千住が東京駅より多い理由と、駅の数字を見るときの注意
2026年10月20日
「渋谷駅は1日290万人」「北千住駅は東京駅より多い」。えきくらべで遊んでいると、意外な数字に出会います。この記事では、えきくらべで使っている「1日の乗降客数」がどうやって数えられているのか、数字を読むときに気をつけたいことをまとめました。
元のデータは国がまとめた「会社ごとの数字」
えきくらべの数字は、国土交通省の「国土数値情報(駅別乗降客数データ)」の2024年度版です。これは、各鉄道会社が公表している駅ごとの利用者数を、国が1つのデータにまとめたものです。データは「駅ごと」ではなく「会社ごと・路線ごと」の行に分かれていて、1日あたりの平均の人数が入っています。
全国でおよそ7,700行のデータがあり、えきくらべでは同じ駅の行をまとめて7,362駅にしています。同じ駅名で300m以内にある行(国のデータで同じグループとされているもの)を合計し、さらに同じ都道府県・同じ駅名で1km以内のものもまとめました。たとえば大阪梅田(阪急と阪神)、難波(Osaka Metroと南海)、浅草(東武・東京メトロとつくばエクスプレス)は、それぞれ1つの駅として数えています。
JRの数字は「乗った人の2倍」
会社によって公表している数字の種類が違います。JR東日本は、駅で「乗った人の数(乗車人員)」を公表しています。国のデータでは、これを2倍して「乗った人+降りた人」にそろえています。たとえばJR東日本の新宿駅は、2024年度の乗車人員が1日666,809人で、データでは2倍の1,333,618人です。
ほかの多くの会社は、はじめから「乗った人と降りた人の合計(乗降人員)」を公表しています。数え方の考え方は同じ「乗り降りの合計」ですが、もとの数字の取り方が違う、ということは知っておくとよいでしょう。
乗り換える人は「会社の数だけ」数えられる
いちばん大きな注意点は、乗り換え客の扱いです。たとえば北千住駅で東武線からJR常磐線に乗り換える人は、東武の「降りた人」とJRの「乗った人」の両方に数えられます。いくつもの会社が乗り入れる駅は、えきくらべでは各社の数字を合計しているので、乗り換え客が多い駅ほど数字が大きくなります。
北千住駅には東武・JR東日本・東京メトロ・つくばエクスプレスの4社が乗り入れ、合計は1日1,434,911人で全国5位です。東京駅(1,262,604人)より多くなっていますが、これは「北千住で乗り降りする人」が東京駅より多いというより、「乗り換えで何度も数えられる人」が多いためと考えられます。
4社以上の数字が合わさっている駅は、渋谷・新宿・池袋・北千住・新橋・浅草・京都・新横浜・小田原・大曽根の各駅(4社)と、横浜駅(5社)です。
同じ会社でも、別の線の分がまとめて入っていることがある
国のデータでは、同じ会社の複数の路線は1行にまとめられ、ほかの行は人数0になっています。中には、ほかの会社の分を含む行もあります。たとえば東急の渋谷駅の行には、東京メトロの半蔵門線と副都心線の分も含まれています。そのため、「会社ごとの利用者数ランキング」を作ろうとすると、どの会社の数字かがずれてしまいます。えきくらべでは、駅全体の合計だけを比べるようにしています。
駅名がちがえば別の駅
反対に、歩いて乗り換えられる駅でも、名前がちがえば別の駅として数えています。大阪駅(JR、751,006人)と大阪梅田駅(阪急・阪神、615,074人)、梅田駅(Osaka Metro御堂筋線、420,718人)はすべて別々です。これらをまとめると1日約179万人になり、横浜駅(1,936,287人)に近い大きさになります。
2019年度との比較は慎重に
データには2019年度の数字も入っていて、えきくらべでは「2019年度比」を表示しています。2024年度の全駅の合計は、2019年度の約91%でした。ただし、駅によっては、会社の数え方や路線の変更(直通運転の開始など)で、数字が大きく変わっているところがあります。1つの駅の増減が大きいときは、利用者の増減だけでなく、数え方の変化も考えに入れて見てください。
まとめ:駅の数字を読む3つのポイント
- 乗り換え客は会社ごとに数えるので、乗り換え駅ほど数字が大きくなる
- JRの数字は乗車人員の2倍。会社によってもとの数字の取り方がちがう
- 名前のちがう駅は、すぐ近くでも別の駅として数える
この3つを知っておくと、えきくらべの「どっちが多い?」で迷ったときのヒントにもなります。乗り入れている路線の数を思い浮かべるのが、いちばんの近道です。
出典:国土交通省「国土数値情報(駅別乗降客数データ)」2024年度(令和6年度)を加工して作成。JR東日本の乗車人員は同社公表の2024年度の値。