人口が増えたのは170市区町村だけ 2025年国勢調査で見る「増えた街」の共通点
2026年10月20日
2025年10月1日の国勢調査で、日本の人口は1億2,297万2,528人でした。5年前(2020年)の1億2,614万6,099人から、約317万人の減少です。では、全国1,741の市区町村のうち、人口が増えたところはいくつあるでしょうか。
答えは170。10市区町村のうち9つ以上で人口が減っています。この記事では、総務省統計局が2026年9月29日に公表した確定値(令和7年国勢調査 人口等基本集計 第1-1表)をもとに、「増えた170」がどんな街なのかを集計しました。
増えた市区町村の内訳
170のうち1つは福島県双葉町です。2020年は東日本大震災の原発事故による避難指示のため人口が0人で、2025年に211人になりました。残りの169を種類ごとに分けると、次のようになります。
| 種類 | 増えた数 | 全体の数 | 増えた割合 |
|---|---|---|---|
| 東京23区(特別区) | 20 | 23 | 87% |
| 政令指定都市 | 6 | 20 | 30% |
| そのほかの市 | 76 | 772 | 10% |
| 町村 | 67 | 926 | 7% |
東京23区は、23区のうち20区で人口が増えました。政令指定都市で増えたのは、大阪市・福岡市・千葉市・さいたま市・川崎市・名古屋市の6市です。反対に、町村で増えたのは14に1つほどしかありません。
人口が多い街ほど増えやすい
人口の大きさで分けると、違いはもっとはっきりします。
| 2025年の人口 | 増えた数 | 全体の数 | 増えた割合 |
|---|---|---|---|
| 1万人未満 | 25 | 565 | 4.4% |
| 1万〜5万人 | 45 | 673 | 6.7% |
| 5万〜20万人 | 58 | 373 | 15.5% |
| 20万人以上 | 41 | 130 | 31.5% |
20万人以上の市区では3つに1つが増えているのに対し、1万人未満の町村では25に1つほどです。仕事や学校が集まる大きな街に人が移り、大きな街のまわりのベッドタウンにも人が住む、という流れが数字にあらわれています。
人数でいちばん増えたのは大阪市
5年間で増えた人数が多い順に並べると、1位は大阪市(+52,959人)、2位は福岡市(+50,401人)でした。どちらも人口5万人分、小さな市がひとつ増えたくらいの増え方です。
| 順位 | 市区町村 | 増えた人数 |
|---|---|---|
| 1 | 大阪府大阪市 | +52,959人 |
| 2 | 福岡県福岡市 | +50,401人 |
| 3 | 東京都江東区 | +29,192人 |
| 4 | 茨城県つくば市 | +27,176人 |
| 5 | 神奈川県川崎市 | +21,309人 |
| 6 | 埼玉県さいたま市 | +20,840人 |
| 7 | 千葉県千葉市 | +19,895人 |
| 8 | 東京都台東区 | +16,602人 |
| 9 | 千葉県流山市 | +15,237人 |
| 10 | 東京都葛飾区 | +14,174人 |
政令指定都市でも、横浜市・札幌市・神戸市・京都市などは人口が減っています。大阪市と福岡市は、20の政令指定都市の中で増え方がとくに目立つ2市です。
増えた割合が大きい街
増えた割合(増加率)で見ると、上位には少し違う顔ぶれが並びます。
- 福島県の浜通りの町:大熊町(+81.0%)、富岡町(+36.0%)、浪江町(+33.9%)、楢葉町(+22.3%)。原発事故の避難指示が順に解除され、住む人が戻ったり、新しく住む人が来たりしています。もとの人数が少ないため、割合は大きく出ます。
- 研究学園都市とつくばエクスプレス沿線:つくば市(+11.2%)、流山市(+7.6%)、印西市(+7.5%)。2005年に開業した鉄道の沿線で、住宅地の開発が続いている地域です。
- 東京の都心の区:台東区(+7.9%)、中央区(+7.5%)。マンションが多く建ち、都心に住む人が増えています。
- 北海道の観光地と札幌近郊:占冠村(+13.8%)、南幌町(+7.7%)、ニセコ町(+4.9%)、東川町(+4.6%)。
都道府県で見ると、沖縄県と東京都に集中
増えた170のうち、東京都が31、沖縄県が16を占めます。続いて千葉県12、福岡県11、埼玉県10、北海道9、愛知県9でした。都道府県全体で人口が増えたのは東京都(+1.35%)だけですが、沖縄県は41市町村のうち16で人口が増えています。宜野座村(+7.6%)、八重瀬町(+5.6%)、名護市(+3.9%)など、那覇市の周りや本島の中部・北部の町村が目立ちます。
一方で、岩手県・秋田県・山形県・栃木県・新潟県・静岡県など16県では、人口が増えた市町村がひとつもありませんでした。人口が増える街は、全国に広く散らばっているのではなく、大都市とそのまわり、そして一部の地域に集まっている、というのが2025年の国勢調査の姿です。
この記事の数字について
人口は総務省統計局「令和7年国勢調査 人口等基本集計」第1-1表(2026年9月29日公表)の確定値です。5年前との比較には、同じ表の「2020年の人口(組替)」を使っています。これは、2020年の人口を2025年10月1日時点の市区町村の境界に合わせて数え直した公式の値です。政令指定都市は市全体で数え、区は数に入れていません。集計は当サイトで行いました。
あなたの住む街は増えた170に入っているでしょうか。人口ランキングでは、増加率の高い順・低い順の一覧も見られます。