家計調査で見る食材の「旬」 さんまは10月、うなぎは7月、たけのこは4月
2026年10月30日
「旬」は、ふつうは食材がおいしい時期やたくさんとれる時期のことです。では、家庭の買い物から見ると、食材はいつ買われているのでしょうか。今日のご飯診断では、季節に合った料理を出すために、総務省「家計調査」の月ごとの支出を使っています。そのデータを食材ごとに並べると、カレンダーのような「買われる旬」が見えてきました。
調べ方
使ったのは、家計調査(家計収支編・二人以上の世帯)2024年の、品目ごとの1世帯あたり月別支出金額です。食材ごとに12か月の平均を出し、いちばん多い月がその平均の何倍かを計算しました。支出が月平均10円未満の品目は、数字のぶれが大きいので外しています。
支出金額は「買った量×値段」なので、値段が高い時期にも数字は大きくなります。また、全国の平均なので、地域によって旬の時期は前後します。この記事の「旬」は、あくまで家庭の支出が多い時期という意味です。
1年でいちばん差が大きい食材
| 食材 | いちばん多い月 | その月の支出 | 月平均 | 平均の何倍 |
|---|---|---|---|---|
| うなぎのかば焼き | 7月 | 858円 | 209円 | 4.1倍 |
| さんま | 10月 | 200円 | 51円 | 3.9倍 |
| たけのこ | 4月 | 189円 | 54円 | 3.5倍 |
| かき(貝) | 12月 | 204円 | 64円 | 3.2倍 |
| さといも | 12月 | 173円 | 62円 | 2.8倍 |
| はくさい | 12月 | 288円 | 121円 | 2.4倍 |
| 緑茶(茶葉) | 5月 | 455円 | 266円 | 1.7倍 |
| いわし | 2月 | 50円 | 30円 | 1.7倍 |
| なす | 8月 | 284円 | 179円 | 1.6倍 |
| しじみ | 7月 | 43円 | 27円 | 1.6倍 |
| あさり | 3月・5月 | 45円 | 32円 | 1.4倍 |
| かつお | 5月・6月 | 186円 | 136円 | 1.4倍 |
総務省統計局「家計調査」2024年(二人以上の世帯・1世帯あたり)。かまぼこ・清酒など、年末だけ多くなる品目は下で別に紹介します。
さんまは、ほぼ秋だけ買われる
いちばん季節がはっきりしていたのはさんまです。1月から7月までは毎月4〜7円しかなく、8月に58円、9月に183円、10月に200円、11月に112円と、秋に一気に増えます。1年の支出607円のうち、9〜11月の3か月だけで495円、約8割を占めていました。いちばん少ない6月(4円)といちばん多い10月をくらべると、50倍の差です。
うなぎは7月の1か月に集中
うなぎのかば焼きは、7月の支出が858円で、1年分(2,503円)の約3分の1がこの1か月に集まっています。6月(227円)と8月(296円)も多いものの、7月だけが飛びぬけています。夏の土用の丑の日に食べる習慣が、数字にもはっきり出ていると言えそうです。
春のたけのこ、冬のかき・はくさい・さといも
たけのこは4月が189円で、ほかの月の多くは20〜30円台です。かき(貝)は反対に、5〜9月は毎月7〜14円しかなく、11月から2月に集中します。はくさいは7月が38円、12月が288円で、夏と冬で7倍以上の差がありました。鍋や煮物が増える季節に、はくさい・さといも・だいこんの支出がそろって伸びます。
12月だけ跳ね上がる食材
月ごとに並べると、12月だけ大きく増える食材がたくさんあります。かまぼこは12月が858円で、ほかの月(190〜252円)の3倍以上。魚介の漬物(663円、ほかの月の約3倍)、清酒(1,028円)、えび(491円)、ぶり(506円)、牛肉(3,090円)も12月が1年でいちばん多くなっていました。おせち料理や年末年始の集まりの準備が、そのまま支出にあらわれていると考えられます。こうした品目は「旬」というより「行事の月」です。
今の時期(10月〜11月)に多いもの
10月に1年でいちばん多くなるのは、さんま、さつまいも(144円、平均の1.35倍)、しいたけ・しめじ・えのきたけ以外のきのこ(312円、1.47倍)などです。11月は、だいこん(221円)やはくさい(243円)、ほうれんそう(204円)が平均を大きく上回ります。今日のご飯診断で、この時期にさんまの塩焼きや鍋料理が出やすいのは、こうした数字を使っているからです。
このデータを見るときの注意
- 二人以上の世帯の全国平均です。ひとり暮らしの世帯や、地域ごとのちがいは入っていません。
- 支出金額なので、値段が上がった月も多く見えます。量がいちばん多い月とは限りません。
- 2024年の1年分だけの数字です。年によって、とれる量や値段は変わります。
出典:総務省統計局「家計調査」家計収支編 二人以上の世帯 2024年 年報 第5表(品目別支出金額の月別)。計算は当サイト。